「スポーツを仕事にする!」(生島淳)

「スポーツの仕事」は近年大きく変化している

「スポーツを仕事にする!」
(生島淳)ちくまプリマー新書

中学生が考える将来の職業で、
意外に多いのが
「スポーツ関係の仕事」です。
中学生になると、
「プロスポーツ選手になりたい」
という希望はごく僅かになります。
代わって登場するのが
「スポーツ関係の仕事」なのです。
運動部に入っている生徒の何人かが
今現在スポーツに
どっぷりとはまり込み、
将来もまたスポーツに
関わっていたいと願っているのです。

でも、「スポーツ関係の仕事って
具体的に何?」と尋ねても、
多くの場合、
インストラクター以外の答えは
返ってきません。
子どもたちはどんな仕事があるか、
よくわかっていないのです。

そんな子どもたちに
薦められる本はないか?
と探して見つけたのが本書です。
「スポーツ関係の仕事」が
近年大きく変化していることを
取り上げています。

第1章
大きく変化するスポーツの仕事

近年のスポーツの世界では、
一見スポーツとは関係のない分野の
研究や知識が
積極的に取り入れられている
現状について紹介しています。
選手の能力を徹底的に数値化して
球団の戦力強化に役立てる。
そのために従来のスカウトではなく、
大学で数学や統計学を学んだ
ビジネスマンを雇用する。
こうした動きがあるというのです。

今まで
「スポーツ関係の仕事」につく人間は、
徹底的にスポーツを
追求した人たちだろうと
思っていましたが、そうではなく、
その競技の素人が
マネジメントを行うことが
ありうる時代に
なってきているのだそうです。

第2章
大学でスポーツを学ぶ

従来の「体育大学」だけでなく、
総合大学に新設された
「スポーツ系学部」で学ぶ道を
取り上げています。
筆者は現代を、
「スポーツをする」に対して
「みる」「ささえる」が
加わってきた時代と説いています。

第3章
スポーツの世界で働く人たち

海外プロモーション、
スポーツ・トレーナー、
アスリート広報、
メンタルトレーナーといった
仕事の分野で、
第一線で活躍している人たちを
取り上げて、その仕事の
詳細と魅力について説明しています。

体を動かすのが嫌いな
50代の私が読んでも
わくわくしてしまいました。
「スポーツ関係の仕事」とは、
こんなにも魅力的で
アクティブな仕事だったなんて。
そして
幅広い学問を生かすことによって、
さらにクリエイティブに
仕事ができるなんて。

運動部での経験を生かした
進路を考えている中学生、
そして大学進学に迷っている
高校生に薦めたい一冊です。

(2018.10.22)

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